Random Blog ²⁴
駅がいちばん騒がしくなるのは、夕暮れどきだった。
列車のせいではない。列車は機械のように正確に出入りするだけだ。本当に音を満たしているのは人々だった。ここには別れがあり、再会もある。そして何より、ほかの場所では言えない言葉が、アナウンスとエンジン音の合間にこぼれ落ちる場所だった。
ショーンは三番ホームの近くに立ち、ポケットに手を入れながら、頭上の表示板を見つめていた。彼はすでに二十分も前からそこにいたが、彼女の列車はまだ十分後だった。遅れたくなかっただけだと自分に言い聞かせていたが、本当はただ、去ることより待つほうが楽だった。
やがてメイリンが人混みの向こうから現れた。彼女は手を振らない。いつもそうだった。ただまっすぐ彼のほうへ歩いてくる。その表情は穏やかで、何を考えているのか読み取るのは難しかった。
「早いね」と彼女は言った。
「君も」とショーンは答えた。
二人はしばらくその場に立ったまま、近づくことも離れることもなかった。周りでは人々が急ぎ、笑い、言い争い、抱き合っている。世界は、言いかけて言えない言葉のために止まってはくれない。
「来ないと思ってた」とメイリンが言った。
ショーンは軽く肩をすくめた。「来てほしいって言っただろ」
彼女は少し笑ったが、その笑みは目には届かなかった。「あなたはいつもそう」
「どういう意味」
「大事なときには来るのに、そうじゃないふりをする」
ショーンは何も言わなかった。本当のことに対して、彼は昔からうまく返せなかった。
スピーカーからのアナウンスが響き、彼女の列車の名前が少し歪んで聞こえた。メイリンは一度上を見て、また彼を見た。
「仕事、決まったの」と彼女は言った。
「聞いたよ」
「ううん、受けることにしたの」
ショーンはゆっくりとうなずいた。「上海だよね」
「うん」
「長くいるの」
彼女は少し迷った。「わからない。でもたぶん」
彼女は嘘をつかない。ただ、すべてを言うわけでもない。
二人が出会ったのは三年前、ここよりずっと静かな場所だった。図書館で、本来はささやき声で終わるはずの会話が、いつの間にか何時間にもなった。彼女は本の最後のページを先に読む人で、彼は順番を守る人だった。
「今夜なんだね」とショーンは言った。
「そう。この列車で」と彼女は優しく訂正した。
彼はもちろん知っていた。来る前に時刻表を確認していた。それでも口に出されると、胸の奥が少し締めつけられた。
「向いてると思うよ」と彼は言った。「ああいう場所」
「どうして」
「大きくて、複雑で、まだ知らないものがたくさんあるから」
彼女は首をかしげた。「それ、あなたのことみたい」
ショーンは小さく笑った。「違うよ」
再び沈黙が訪れ、今度はさっきより重かった。
メイリンはバッグの位置を直した。「ショーン、聞いてもいい」
「いつも聞いてる」
「どうして言わなかったの」
彼は眉をひそめた。「何を」
彼女はじっと見つめた。彼はわからないふりをしようかと思ったが、それが通じないことも知っていた。
「わかるでしょ」と彼女は言った。
ショーンはゆっくり息を吐いた。「言っても変わらなかったから」
「そんなことない」
「あるよ」と彼は少し強く言った。「君は一度もそういうふうに見てなかった」
彼女は否定しなかった。
「告白を待ってたわけじゃない」と彼女は言った。
「知ってる」
「じゃあどうして」
ショーンは、敗北に聞こえない答えを探した。「好きって、引き換えじゃないから」
彼女の表情がやわらいだが、そこには少しの後悔のようなものもあった。
「簡単に言うね」と彼女は言った。
「簡単だよ。ただ楽じゃないだけ」
彼女はかすかに笑った。「練習したみたい」
「かもしれない」
またアナウンスが流れた。今度ははっきりと、彼女の列車の到着を告げていた。
遠くから振動が近づき、ホームの空気が変わる。人々が荷物を持ち、前へと進み始める。
メイリンは動かなかった。
「ショーン」と彼女は静かに言った。「もし違っていたら」
「違わない」と彼は穏やかに言った。
彼女はうなずいた。
「あなたのこと、大切だよ」と彼女は言った。「今も」
「知ってる」
「思ってる以上に」
「それも知ってる」
「でも、あなたが望んだ形じゃない」
ショーンはまっすぐに彼女を見た。「うん」
しばらくのあいだ、駅の音が遠のいたように感じられた。
「残ることもできる」と彼女は突然言った。
ショーンは目を瞬いた。「何を言ってるの」
「仕事も、引っ越しも、少し遅らせて」
言葉が宙に浮かぶ。
彼はすぐに首を振った。「だめだ」
「どうして」
「そのうち後悔するから」
「しない」
「するよ」と彼は言った。「いつか、もしあのときって思うようになる。それを俺のせいにしてほしくない」
彼女は彼の顔を見つめたが、迷いは見つからなかった。
「試してもほしくないの」と彼女は小さく言った。
ショーンは一瞬だけ言葉を失った。それは彼が想像してきた瞬間でもあった。でもそれは本当の意味での選択ではなかった。
「幸せでいてほしい」と彼は言った。「そこに俺がいなくても」
彼女の目が少し揺れた。「行きにくくなる」
「それでいい」と彼は少し笑った。「それだけ意味があったってことだから」
ドアが開き、人々が乗り込んでいく。
メイリンは一歩下がり、また一歩下がった。
「ショーン」
彼は軽く首を振った。「行って」
彼女は一瞬だけ迷い、それから列車へ向かった。途中で立ち止まり、振り返る。
彼はまだそこに立っていた。
彼女は珍しく手を振った。
彼も振り返した。
やがて彼女の姿は列車の中へ消えた。
ドアが閉まり、列車がゆっくり動き出す。
ショーンは最後の車両が見えなくなるまで見送った。
そのあとで、ようやく長く息を吐いた。
「遠くから愛してる」と小さくつぶやく。
駅は何もなかったかのように、また動き続けていた。
ショーンはポケットに手を戻し、振り返って歩き出す。軽くなったわけでも、楽になったわけでもない。ただ、確かだった。
そして最後の愛のかたちとして、彼は彼女を解放した。
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